病気のこと

からだ
ケア

「肥満」と「肥満」は違う??

単に太っている状態をあらわす「肥満」とは異なり
「肥満症」は治療が必要な病気です。

「肥満」は身長に対して体重が重い状態であり、BMIビーエムアイと呼ばれる体格指数(体重[kg]÷身長[m]2)が25以上の状態をあらわす言葉です1)。肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧、心臓の血管の病気など、数多くの病気の原因となるため、その予防や対策は重要ですが2)、肥満自体は病気を意味するものではありません。
肥満の状態に加えて、糖尿病や高血圧といった肥満がもたらす健康障害(肥満の合併症)が1つ以上ある場合、もしくは健康障害を起こしやすい内臓脂肪が蓄積している場合(内臓脂肪型肥満)を「肥満症」と呼びます1)。これはれっきとした病気の状態で、治療が必要になります。

「肥満症」の定義を表したイラスト。BMI25以上(肥満)の人で、健康障害が1つ以上当てはまる場合、もしくは内臓脂肪型肥満である場合を「肥満症」と呼ぶ。健康障害とは、「耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)」「脂質異常症」「高血圧」「高尿酸値血症・痛風」「冠動脈疾患」「脳梗塞・一過性脳虚血発作」「非アルコール性脂肪性肝疾患」「月経異常・女性不妊」「閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群」「運動器疾患(変形性関節症・膝関節・股関節・手指関節・変形性脊椎症)」「肥満関連腎臓病」を指します。

現代人の肥満の要因としては、車社会や交通網の発展による歩かない生活や手軽な飲食の増加などの社会環境の変化に加え、個人のおかれた環境によるストレス、遺伝などが指摘されています1)。肥満や肥満症が自己責任のように捉えられて社会からの誤解や偏見を生み出していることがありますが、肥満=自己責任という考え方は誤っており、疾患について正しく理解されることが必要です。

車社会や電車やバスなど交通網の発展による歩かない生活、ファストフードなどの手軽な飲食の増加、環境によるストレス、遺伝的な要因など、肥満につながる原因を描いたイラスト。

肥満に合併する疾患を予防・改善するためにも、「肥満症かもしれない」と思われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

3つのポイント

  • 「肥満」に加えて、肥満による健康障害が1つ以上ある場合、または内臓脂肪型肥満である場合が「肥満症」

  • 肥満症は病気であり、治療が必要な状態

  • 現代人の肥満は、社会環境や遺伝的要因が原因であることがある

出典

  1. https://www.jasso.or.jp/contents/wod/index.html
  2. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-001
  3. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-009

参照

(すべて2025年6月閲覧)

監修 日本赤十字社 京都第一赤十字病院 総合内科 部長

尾本篤志

病気のこと
からだケア